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尾崎かおりブログ
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最近送ってもらったメールが届かない事例が何件か発生しています。
ファンメールには基本的にお返事を出せませんが。
仕事関係には返信していますので、
万が一送ったのに返信がないという方は、お手数ですが再送して下さい。
お仕事のご依頼の場合はその旨分りやすくタイトルに書いて下さい。
(但し広告依頼、アンケートなどは受けかねますのでお返事してません)


その4 ペン入れ
ここまで来ると本当に「作業」という感じで、
テレビ見ながらでも、人と喋りながらでもできます。
穴から出て来て、人間の生活に戻る感じ。
インクはどんどん蒸発して粘度が変わって行くので、必ず新品を使います。
インクはカイメイ・ドローイングゾルK。
ペン先はゼブラのGと丸。原稿用紙はIC。

その5 仕上げ
消しゴムとバッテンのついてるところのベタはお手伝いをお願いして、
トーンは自分で2~3日で一気に貼ります。
ネームの時にイメージは出来てるので、
トーンの指定や下書きはしないで即興でどんどん貼って行きます。
作画に関してはアナログにこだわりがあるわけでもないので、デジタル導入してもいいんですが、スキャンが面倒なのとPC仕事は目が疲れるのでなんとなく腰が重く…
しかしトーン代が痛い今日この頃。
最終日は大概徹夜です。

何はともあれ、こんな感じで毎回仕上げています。
基本的にとても地味で孤独な作業です。
たまにテレビに出て来る売れっ子漫画家の仕事場とか
オシャレでスタッフがいっぱい居てスタジオぽくて、なんか別世界みたいです…。
この絵が超リアルな私の現実だよ


来週はWEBウイングス更新です。
更新されると今載っている分は読めなくなっちゃうので、今のうちに復習しておいて下さい。

拍手[44回]

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その4 下描き

画像の原稿が昔のものばかりですいません。
ネームが終わったら、ここからはまた頭を使った作業です。
下書きはまずコマを割ってふき出しから描きます。地味だけど大事なとこです。
その後テケトーにパースを取って、原稿全体のアタリを入れていきます。

私は下書きにHB鉛筆をよく使います。
細かい所はシャープペンも使いますが、シャープペンで紙が掘れてしまうのが嫌なので。
レイアウトは読む人の視線がなるべく画面全体を巡るようしてます。
赤線が読む人の視線予想図。

一コマ目の左下に猫がいるのは、
そのまま左にスルーしそうな視線が一回下に下がるように入れてみたけど効果があるかは不明....。
ひとつのコマをどのくらい時間をかけて読むかは読者によって違うと思いますが
この赤線が次のポイントに着くまでの長さを調節することによって
読む人の時間感覚をコントロールしようとしてます。
例えば細かいコマ割りが続けば当然視線の移動距離は短くなるので、時間の短いカット割がパパパっと続いてるような感じになり、
大ゴマでたっぷり背景を書き込むとカメラの長回しのように時間がゆっくりしみじみと流れます。
細かいコマが続くアクションの中に、集中線のない大ゴマが入ると
スローモーションやストップモーションのような効果が出ます。

アクション映画で必殺技の所がスローになる感じです。
マンガは動かないものですが、自分では動画になって見えているので、何とか読む人にも動きを感じて欲しいのです。


私がWEB連載で一番変わってしまうと感じるのは、この時間感覚です。
右めくりの本は自分で読み進めながら右から左へまさに「進んで」行く感覚があります。
でもPC画面などで見てしまうと、見開き全体が紙芝居のような一枚絵として目に入って来るので、せっかく計算したテンポが無意味になってしまう気がするんです。。
これは「本」でマンガを読み慣れている私の感覚かもしれませんが…。
音楽などのデータはDL販売という形になっても耳に入って来る音そのものに遜色はありません。
個人的には小説などもデータ販売に移行しても感じ方にそれほど変化がないと思います。
でもマンガは紙の本であるべき理由が色々あると思うんですよね…。
便利だから、コストがかからないから、という理由でどんどん電子化が進んで行くと
自分が作ってたコマ割りのテンポは、通用しなくなってしまうのかもしれないです…TT

拍手[49回]

みんなBBSとかコメントだと投稿ないのに、
拍手からだとめっちゃメッセージ入れてくれる・・・
照れ屋さん・・・なのか
毎日ブログを開けると、みんなからのメッセージがあってしあわせです。
ありがとうございます。

その3 ネーム ピークエクスペリエンス

電球ボックスのメモがネームになった所。

ネームは降霊術に近いものがあります(爆
カーテンを閉め切って、留守電にして、鍵をかけて
ヘッドフォンをガンガンにして、電気も消して、スタンドだけ点けて、
いつもネームはそうやって描きます。
その状態でひたすら何かが降りて来るのを待ちます。
担当さんと私は「マンガの神様」と呼んでます。
ネタが充分溜っていても、あらすじが全部決まっていても
それが来ないと、どうしても描けないのです。
浜辺でじーっと津波が来るのを待つ感じにも近いです。
どんなに待っても波が起きない時もあるし、小波で終わるときも多いし、
締め切りに間に合うように来てくれるとも限りません。

しかしひとたびビックウェーブがやって来たら、
私は目の前で起こっていることを必死で書き写すだけの書記係です。
自分でも「次どうなるの!?」と思いながら、
絵を描いていると間に合わないからコマだけ割って行くんだけど、
そこにどんな構図で絵が入るのか、描いてなくても全部見える。
あれが伏線になって、ここに繋がるのか!! と、
最初から全部決まっているとしか思えないような
自分でもびっくりするようなことが次々起こります。
その間周りの音は何も聞こえないし、眠ろうとしてもすぐ目が覚めて、
ドキドキしてご飯もあまり食べられない。
カーテンの隙間から見える外の世界が遠くて、
自分の部屋ごと違う世界に飛んで行ってしまったみたい。

昔からそんなネームの描き方だったわけではなくて、
メトセラを描くうちにだんだんそうなって行きました。
もちろんそんな神懸かり的なことが毎回起こるわけじゃなくて、
今でも大津波は年に一回もあればいい方です。
そこに上り詰めるまで本当に苦労します。

でも最後の3話分を描いている時は更に不思議なことが起こりました。
みんな普段「自分」の中身には自分が100パーセントつまってるでしょ?
でもその時は自分の中が津波で一杯になって、
自分が消えて、ただの入れ物になったみたいでした。
普段くだらないことで悩んだりしてる私はゴミみたいに小さくなって消えて、
かろうじて残った意識は、見えているものをただ描きとめるだけで、
本当にその場に居るみたいに、風も感じるし、声も聞こえて、
太陽がどっちに出てて、肌に光が当たってるのとかも感じる。
目の前で物語がうねり、絡まり、引きちぎれそうになりながら
全速力で走って行くのを夢中で追いかける。
そんな感じが何日も何日も続きました。
この気持ちが一生消えなければいいのにと思う程しあわせでした。
じんじんがんがん、体中に響いて、紙は涙でべそべそになりました、
メトセラを描いていて一番しあわせでした。

拍手[65回]

いよいよ締め切りが近づいて来たら、箱の中身をひっくり返します。
そしてあらかじめ決めたあらすじに沿って使えるアイディアを選別します。
選別したエピソードをどういう順番で並べて一話分にしようか、
エピソードを繋げるのに、どんな展開や伏線が必要か考えます。
この段階が自分にとって「構成」です。
ほとんど頭の中だけで作業しますが、
ページ配分などを考え、全体の構成をごく簡単にメモすることもあります。

私はよく自分だけに分かるスゴロクみたいな図を書いています。
残念ながらこの時点でパズルのピースが足りていないと感じた時は、
またピース集めに戻ります。

これでいける!と判断したら、いよいよネームに突入します。
私は描き上がったネームを後から修正したり、
前後を入れ替えたりといったことが出来なくて、いつも一発勝負なのです。
だからレースのスタートラインにいるような、
即興演奏を始めるようなドキドキした気分です。
ここでスタートするのに数日を要することもよくあります。
とても勇気のいる瞬間です。

マンガの神様が降りて来ることを祈ってーー・・・

つづく

拍手[25回]

みんな、拍手からいっぱい感想ありがとう!!><
長い連載ももう少しで終わりなので、
追いきれなくて離れてしまった人も、今戻って来てくれると嬉しいんだけどなー。
お友達にも知らせて下さい~



ブログに描くことも早々に尽きてしまったので、
恥ずかしながら、メトセラ制作の行程でも書き残してみようかと思います。

その1 ピース集め

これはアイディアメモを放り込むピッカリ電球BOX。
ネームを作る前段階、セリフや絵を走り書きしたものが入ってます。

この中身を人に見せるのは初めてだ。恥ずかしい><

コツは思い浮かんだものをメモして箱に入れたらすぐに忘れること。
私は飽きっぽいので、
あまり何度も頭の中でシュミレーションすると、新鮮味を感じなくなってしまうので。
中に溜っているメモはパズルのピースのようなもので、この時点でどのように繋がってひとつの話になるのか、いつ出番が来るのかはまだ自分でも分かりません;;
たとえば10巻でユーリがエイラにオムライスを食べたいと言うくだり、
たったあれだけのやり取りのメモが5年くらい前からこの箱に待機してました。
使われるまでに何年も箱の中にいるネタも、ずっと使われないままのネタもあります。

つづく。。。

拍手[39回]

今月の原稿無事に脱稿しました!
28日の更新日には今度こそ最新話が掲載されると思います。
もうちょっとだけお待ち下さい。

トーンを貼るのも勿論ひとり…
すごく沢山貼っているように見えるかもしれませんが
使っている種類は、アミ点61番と、グラデと、雲のトーンの3種類が殆どです。
雲はいつもは雲模様が出来上がっているのを貼るだけのことが多いですが、
今回は結構自分で削りました。






(雲はカッターや砂消しでトーンを削って描くのです)
自分で削ると下手だし、出来合いのものを貼るより何倍も時間がかかるけど
やっぱり自分の思った通りに描きたいので頑張りました。
しかしWEBの小さい画面では、細かい背景は殆ど潰れてしまうので、
本当に悲しいです・・・・
はやく本になるといいな・・・

一人で徹夜でトーンを貼っていると、トーンが網膜に焼き付くのか
だんだん白いものすべてにアミ点が貼ってあるように見えて来ます。
一晩寝ると治りますが・・・

原稿を梱包したら封筒にキスしてから送り出します。
昔ベティ・ブルーという映画でやってるの真似して、
すっかりクセになってしまいました。

これは箱に入れて家から送り出す前に撮ったマチコ

「お母ちゃん、行ってきます!」


今頃京都に向かっているのかな。

拍手[29回]

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