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尾崎かおりブログ
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新作講座をTwitterとpixivに掲載しました
Twitter https://twitter.com/innobad1/status/1316001332222930945
pixiv https://www.pixiv.net/artworks/84998634

拍手[26回]

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3/27頃発売「月刊スピリッツ」5月号 の
「非日常な彼女」というコーナーに、イラストを寄稿しました。
久々に艶子さんを描きました。
雑誌内に1ページのインタビュー記事もあります。
良かったらご覧下さいませ。


(つづき)
漫画の表情というのも不思議なものですよね。
怒ると眉毛が吊り上がって、悲しい時はハの字に、
笑うと口は半月の形に描かれています。
でも実際、人間の眉毛は怒ってもそんなに動いてないんですよね。
私はこれも主観的な感覚を絵で表したものなんだと思います。
怒っている時、私たちは眉間にぎゅっと力が入り、眉がつり上がっているような「感覚」があります。
悲しい時は、ぐっと奥歯に力が入り、自分の口角が下がっているような「感覚」があります。
実用的なことはpixivの表情講座で描きましたが、


わなわなしている時、人間の口が実際こんなに波打つわけではありませんが、震えているような「感覚」がありますよね。
マンガの表情というのはこの「感覚」を絵にしたものなのです。
怒っている「他人」の表情をリアルに描いているのではなく、主観的な「自分の感覚」を絵にしているため、読者はそれが自分の感情であるかのように、より共感するんです。

個人的に良く覚えているのは、映画「風の谷のナウシカ」で、ナウシカがお父さんを殺されて激怒するシーン、
髮の毛がぶわっと膨らんで逆立つんですが、実際怒って髮が立つことはないにも関わらず、その時のナウシカの気持ちが伝わって来ますよね。
怒髪天を衝くなんて言葉があるくらいですから、みんなに共通する身体感覚なのだと思います。
マンガには(特に日本の漫画には)そんな風に、読んでる人とキャラクターが一体化する仕掛けが数えきれない程あるのです。





趣味で長年写真を撮っているのですが、
「今まで写真集を出版したことがありますか」とのご質問を頂きました。
いつか写真でも何か出来たらいいな、と考えることはありますが、
今の所素人の趣味ですので、今までもこれからも予定はありません。

*写真ブログは漫画とは関係ない個人としてやっているので、入り口をちょっとだけ隠してあります。

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今度の漫画は主人公が4人居ます。
一人ずつ載っけて行こうかな。

漫画の絵ってふしぎですよね。
目が大きくて、鼻はゴマ粒みたいに小さく描かれていても、なぜか違和感を感じずに読んでしまいます。
私は、このデフォルメの比率というのは、人が人に向けている意識の大きさの現れなんじゃないかと思っています。
やっぱり目というのは感情を読み取るために重要な部分であるので、他人を見るとき私たちは「目」にかなり意識が向いてますよね。
漫画の絵の中では、普段意識を向けている部分が、大きく主張して描かれているんだと思うのです。
逆にそんなに他人の「鼻」って意識しないですよね。
だから絵の上でゴマ粒くらいに描かれてても、普段「鼻」に向けてる意識がそんなに大きくないので違和感がないんじゃないでしょうか。

これは昔読んだ「マンガ学」(絶版ですがすごい本です)という本の受け売りなんですが、特定の誰かをモデルにリアルに描かれた肖像画というのは、その絵のモデルになった人以外が見たら「他人」と感じますよね。
でもシンプルにデフォルメされた顔…目が二つ、口がひとつある、スマイルマークemojiとか、こんな顔文字→(・∀・)だったら、世界の誰にでもあてはまりますよね。
要するにデフォルメされた顔の方が「これは自分である」と感情移入しやすいのです。

実写映画を見ている時、私たちは「他人」の人生を見ている感覚で、どこか客観的です。
でも漫画やゲームってもっともっと、主人公が「自分」って感じがしませんか?
自分が主人公になっているような、主人公と一体になってその世界を体験しているような感覚がありませんか?
それはキャラクターがより親しみやすくデフォルメされているからだと思うんです。
漫画の実写化が批判されるのは、作品の善し悪しもあるけれども、今まで自分と一体のような親しみを感じてキャラクターを、現実の人間が演じることで、突然自分と分離してしまった「他人」のように感じるからではないでしょうか。
みんなが「キャスティングが合ってない!」と文句を言うのは当然なんです。
だって今までは主人公は自分を投影した、大切な自分の一部だったんですから。

そうやって「自分のもの」にできること、
自分が主人公になれる所が、漫画の素敵な所だなあと思います。

この話、たぶんつづく…。



相変らず取材であちこちぶらついてます。
ご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。



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意味なし昔の落書き

広告が出てしまった。何か書かねば。
今年は読み切り一本しかやってないのに、もう冬がやって来ちゃったよ。
一応今来年の新連載の準備をしているのですが、相変らず一人でのろのろ作画しているので、月刊連載するにはすごーくすごーく描き溜めないと間に合わないということで、発表はずいぶん先になりそうです…。
はやくお知らせしたいなあ。がんばります。

一人で何もかやっていると、苦手なものとか描きたくないものも色々あります。
絵を描く人なら分かってくれるかもだけど、特に曲線や楕円にパースがかかっているものはとても難しいので、時にはアシさんに投げたいなあと思うこともあります。
例えば…

描くのが嫌なもの
その1.....テーブルの上に置いた食器
テーブルのパースに合わせた楕円を描くのが難しい。

その2.....瓦屋根
一個一個カーブしてて嫌な形。
天守閣とか屋根自体反りがあってカーブしている場合は更に死ねる。

その3.......車
流線型にパースがかかってる上に円柱型のタイヤが4個。
人物との大きさ比も面倒。
車好きな人は得意そうだけどそもそも興味がない。

その4.......楽器
曲線が多い上に、フレット数や鍵盤の並びなど決まりが多い。
一生描きたくないのはホルン。何あのぐねぐね。狂気を感じる。

その他、螺旋階段、日本刀、自転車、バイク…etc
東京タワー、スカイツリー、国会議事堂あたりも出来れば一生描きたくない。
線が多い、定規を使わないと描けないものも嫌いです。

逆に得意なのは自然物。大きさも形も決まりがないので、パースを気にしなくて良いのです。
布や髮の毛なんかも、自分が美しいと思う形に自由にカーブを描けるので、割と好きです。
要するに人工物のようにルールがあって、その通りに描かなきゃならないというものが苦手です。

苦手と言いながらいつも出て来てしまう、楽器。
新連載をする時はなるべく今までに描いたものとは雰囲気を変えようとは思うのですが、
どうしても手癖があって、無意識に何度も使ってしまうモチーフもあります。

他によく出て来るのは

猫、雨、雪、海、売春婦、転校生、花、母子or父子家庭、ロンゲ男子

このあたりは繰り返し繰り返し描いてしまう。

よく描くエピソードとしては、
「女性キャラは好きな人に手料理を食わそうとする(たとえ料理下手でも)」
それが愛だと思ってるみたい。
対して男キャラは
「愛する人に花を贈る」人が多い。
純朴ですね。

そんなこんなで、一応仕事はコツコツしています〜。

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前の日記に書いたように、物語は考えて作るんじゃなくて、描く前からどこかに完成形が存在してるんじゃないか…なんて考えてしまうんですが、

絵も同じで、正解の線って最初から決まってる気がするんです。
絵を描く人なら分かってくれるかもしれないけど、「ここだ!」ってとこに一発で線が引ける時もあるし、「ここかなー、ここかなー、ちがうなー」って何回も何時間も線を引いて、やっと正解に当たる場合もあります。
大体何度も消したり描いたりして、線だらけになってしまったら、もうその絵から当たりは出ない気がするから、全部消すか紙を変えます。
それか一晩置いてみる、と昨日はあんなに苦労した絵の正解が一発で出たりする。
たぶん線がいっぱいな時点で自分でも正解を見失ってるんだろうな。
それをリセットすることが必要なのです。
当たりがどんどん出る日は何枚でも描けそうなくらい快調だけど、線だらけのドツボに入ると1ページも出来ない日もある。
不思議なものですね。

そんなわけで今新作(読み切り)描いているんだけど、ページの都合で掲載は夏頃らしい。
遠いなあ・・・。



仕事中の気分転換は、仕事場から徒歩3分の激安カラオケでヒトカラ…

今までの最高点

選曲がヲタw


また進行状況などお知らせに来ます。

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私には漫画を「作る」才能が全然ありません。

たとえば普通は漫画を描く時は、キャラを考えて、ストーリーを考えて、編集さんとも相談して、読者層とか雑誌の傾向とかも考慮して「学園SFもので連載しよう」とか決めて、それでネームを描くんだと思う。
私にも描きたいものはいっぱいあって、たとえば「次は探偵ものを50ページ描くぞ」とか思って、キャラ作って、あらすじ考えて、資料集めて何ヶ月も準備する。
そしてネーム用紙を広げるんだけど、全然描けない。
担当さんもいっぱい励ましてくれるのに、最初のコマ縦にしていいのか横にしていいのかもわかんない。
散々悩んで、それでもできなくて、もうダメだって絶望してると
ある時突然「探偵もの」とは全然関係ないものが勝手になだれ込んで来る。
1秒前まで頭の中に影も形もなかったストーリーが、ダムが決壊したみたいに一気に大洪水になる。
何ヶ月も準備して来たものは跡形もなく吹き飛ばされる。
他のことは何も考えられなくなって、私の人格まで吹き飛ばして、私は流れ込んで来るものの入れ物になってしまう。
そうなるとただ見えてるものを描き写すことしか出来ない。
私が何を描きたいかは全部無視される。
だって流れ込んで来るものはあまりにも「圧倒的」でそれに比べたら私の考えてた「探偵もの」なんて、ちゃんちゃらおかしいんだもの…。
泣きながら降参して、なだれ込んで来るものを描き取るしかない。
私は自分で描きたいものをコントロールすることがまったくできないのです。

メトセラまではそういうダム決壊型で出来るネームが多くて、
神様がうそをつく。は2ヶ月くらいかけて、あぶり出しみたいにじわじわ出て来ました。
人魚王子の作品は全部、何の痛みもなくつるんと、気がついたら生まれてたみたいな感じ。

だからといって、締め切りの度に都合良くそんなことが起こるわけじゃなくて、上手く行くのはせいぜい1年に一回くらいです。
その時に描けるだけ描き溜めておくので、なんとか商売になってる感じです。
たぶん本当の天才とかは、毎日毎日インスピレーションが続いてるんだと思うけど。
自分の人生を全部奪われるくらいに。
それか仕事に合わせてコントロール出来たりするのかも。
私にはどうすればそれが出来るのか、20年以上やっても分からないし、
もう次はないかもって、いつも、今でも、不安でたまらない。

先日Coccoの話を書きましたが、そのCoccoがずっと昔
「頭の中に映画のスタッフロールみたいに文字がばーっと出て来る。それを歌うと勝手に歌になる」みたいなことを言ってて、
その時私はもう漫画家だったのですが、自分にはまだそんなことが起こったことがなかったので、
「へー、世の中にはそんな人も居るんだなあ!」と思ってました。
それからしばらくして、最初のダム決壊が起こりました。
今にして思えば私がCoccoのその話を聞いたことはすごく意味があったのではないかと思うのです。
それまで私は漫画というのは、頭を振り絞って一生懸命考えて、知識や技術で「作る」ものだと思っていたのです。
でもそういうやり方もあるんだ、と知ったことで、何かちょっと蓋が開いたのかもしれない。

「友情!努力!勝利!」の少年漫画しか読んだことのなかった私が、中学生の時初めてWINGSを買って、高河ゆん先生の漫画を読んだ時、
「漫画って自分の気持ちを描けばいいんだ!」ということに気づきました。
それまで漫画が大好きでも一回もちゃんと漫画を描けたことはなかったけど、
やっぱりそれからしばらくして、急に漫画が描けるようになりました。
初めて自分の気持ちを描いたんです。
高河先生の漫画を読んでなかったら、私は漫画家になってないと思う。

だから私がここにこうやって自分のやり方を描いておけば、
これを読んだ誰かにも、いつか同じことが起こったりするかもしれない。

なんて。

決して楽に作れてるわけではなくて、仕事だと思うと焦りで一杯になってしまうし、100回くらいもう枯渇したんじゃないかと思ったし、何をどうしても出来ないこともあります。
でもいくら頭で一生懸命考えても、漫画が出来るかどうかは、
私の場合関係ないみたい。
頭を使うのは浮かんで来たものを原稿の上に出力する段階で、その時どうやってるかは説明出来るし、ただの技術だし、pixivで講座もやってます。
でもそれ以前の「何を描くか」は自分にも得体の知れない所からやってくる「授かり物」なのです。



拍手[71回]

その1
輪郭はホームベース型のサイドを少し逆ハの字に広げて角を丸くした感じです。
上は空けておきます。


その2
前髪は3つのふさを作る感じで描きます。


その3
もみあげ部分を内巻きにして、輪郭にかかる感じにします。


その4
鼻は両エラの角張った所を結んだ線の真ん中、よりちょっとだけ高い位置に
控えめに描きます。


その5
目の上まぶたと下瞼を描きます。形は「こ」の字を逆さまにしたような感じで、下瞼のラインは、鼻よりもほんの少しだけ高い位置に描きます。
上瞼は下瞼より線を太くすると可愛いです。


その6
「こ」の字の中に瞳を描きます。縦長の丸1を描きます。
上瞼にはくっつけず、下瞼にくっつけて描きましょう。
1丸の中左上にハイライトに当たる2の丸を描きます。
そして瞳孔3の丸を描きます。2に被る部分は2の下にあるように3の丸を描いて下さい。そして4で瞳を真二つに横切ります。最後に黄色い部分を塗りつぶします。



その7
髪の毛の隙間あたりに、なだらかに眉を描きます。
眉毛の高さで表情が変わります。
口は鼻とあごの真ん中あたりに描きます。口の下にクチビルの影の点を描きます。あまりクチビルと離して描くとタラコクチビルになります。


その8
ちょっと難しいですが、右斜め上あたりにつむじになる点を決め、
頭の大きさを考えながら左右にラインを降ろして来ます。
輪郭より一回り大きい感じです。


その9
仕上げにつむじにアホ毛を立てて、左右の空いた所に毛先を散らします。
細い線で上瞼を二重にしたり、控えめにまつげを描くともっと可愛いです。
首は細めに描いてできあがりー


チョリース!

絵が描けない人でも描けるマチカの描き方でした。
みんなやってみてね!
友達に教えたら
「へーえ、いつもこうやって描いてるんだあ」とか感心されたけど
こうやっては描いてないですw

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私にとって構図と言うのは「重さ」のバランスを取ることに似ています。
バランス良くモビールを吊るすような感覚です。
モビールって左右対称じゃつまらないでしょ。
でもバランスが釣り合ってないと崩れちゃう・・・。

例えば1巻の絵は、
左に傾こうとする「1」のラインに「2」のレインを吊るしているのです。
「2」は「1」の勢いを殺すように、「1」のラインにかぶせます。
そうすると今度は「2」が重過ぎて構図が右に雪崩しそうになるから
「2」の勢いを「3」の線で止めて、そこに「4」を吊るして重心を取ってます。
構図は末広がりの方が落ち着くのでオレンジの線を「ハの字」に入れて支えにしてます。
他にも色々細かい所でバランスを取ってます。


5巻の構図は二つの「S」の字が向かい合っているような構図です。
やっぱり落ち着くように下にハの字の台座があります。


色にも重さがあって、暗い色や濃い色は重く感じ、淡い色は軽く感じます。
6巻の構図はレインが大きくて左に重心があるので。
高めの位置にバイクを描いたり、地面に影を描いて、
右上を重くして左右のバランスを取っているつもり。
表紙だけじゃなくて本編も、
コマ単位、ページ単位でもバランスを意識して描いています。


これは私の好きな伊藤若冲という人の絵ですが、右下にしゅっと線が引いてあります。
鶴が全体的に左に寄っていて、足下が華奢な絵なので、この線は地面を表しながらも、つっぱり棒のように、重心が傾かないよう画面を支えているんだと思います。
鶴の頭の散らばり方も絶妙ですね。。。
私は構図が綺麗にまとまっている絵や、
構成が見事なストーリというのが好きみたいです。

そんなこんなで苦手なカラーなんとか描き終わりました!
今日から最終回を描き始めます。
丸一ヶ月かかりそう
元気玉お願いします!

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